平成27年度日本学術振興会の委託事業のひらめき☆ときめきサイエンス〜
ようこそ大学の研究室へ〜KAKENHI(研究成果の社会還元・普及事業)の
プログラムH27026 「宇宙の謎を解く鍵ニュートリノの正体
〜地下深くで究極の光を捕まえる〜」が、平成27年7月31日(金)に宮城教育
大学 理科学生実験棟 物理学第一実験室で行われました。午前10時より
開校式を開き、7名の中学生と3名の高校生に科研費の紹介と本事業の説明、
およびスケジュールの説明を行いました。その後、最初の講義
「宇宙の謎を解く鍵ニュートリノの正体〜地中深くで究極の光を捕まえる〜」
を実施しました。この講義では、原子・原子核から素粒子までキャラクター
を用いて説明しました。特に2重ベータ崩壊や宇宙の謎との関連については、
非常に難しい内容でしたが、最先端の物理学を触れてもらうべく、誤魔化し
なしで説明しました。
「宇宙の謎を解く鍵ニュートリノの正体〜地中深くで究極の光を捕まえる〜」の講義
午前の後半は、岐阜県神岡町の神岡鉱山内にあるカムランドとテレビ会議を結び、
東北大学ニュートリノ科学研究センター准教授の古賀真之准教授を講師に迎え、
カムランド実験の説明や神岡で研究を行う上での苦労話を伝えて頂きました。
このテレビ会議は、宮城教育大学オープンキャンパスの模擬授業と重ねていたため、
約50名の高校性も参加しました。
「宮城教育大学オープンキャンパス 模擬授業」
昼食を挟んで、午後は実験@「液体シンチレータを作ろう」を実施しました。
オープンキャンパスの模擬授業に参加していた5名の高校性も飛び入りで参加
して、参加者自ら液体シンチレータを調製しました。アニソール20mLに蛍光発光剤
であるPPOを100mgとPOPOPを10mgを溶解させるだけで、高性能な液体シンチレータが
調製できます。参加者の中学生・高校生は学校ではほとんど触った経験のない
ピペットや電子天秤に触れながら、非常に熱心に調製を行っていました。
そのため時間がなくなってしまい、POPOPの溶解はできませんでした、それでも、
紫外線を照射すると青紫に輝いた液体シンチレータに、参加者一同歓声を上げて
いました!。
「液体シンチレータを作ろう」
午後の後半は実験A「ホコリの中の邪魔者を探せ」と題して、簡易霧箱を使って
放射線を観測しました。通常のラジウムボールやランタンマントルから放出される
ラドンガスの娘核からアルファ線を、参加した中学生・高校生は興味心身に観測
していました。そして、最後に横の実験室で吸引していた濾紙を切取り、参加者に
配って観察させてみました。汚れた濾紙の表面からアルファ線が出ていることを
見た中学生・高校生は、とても驚いていました。空気中のホコリの中に自然の
放射性物質が含まれていることを説明すると、さらに驚いている様子でした。
「ホコリの中の邪魔者を探せ」
最後にクッキーとお茶やジュースを飲みながら、真夏の暑い一日を有意義に
過ごせることができたなどの感想を語りながら、参加者全員に修了証書を
手渡して本プログラムを終了しました。参加者のアンケートからもわかるように、
講義は少し難しかったようですが、参加した中学生・高校生には放射線や素粒子
に非常に興味を持ってもらえたようで、有意義な企画になりました。
「修了証書授与、お疲れ様でした」
(文責:福田 平成27年8月25日)