平成18年度 コロンビア「自然科学及び数学教員養成 システム強化」自然科学分野研修カリキュラムの実施報告

平成18年度10月25日より11月30日まで、宮城教育大学において JICA主催のコロンビア「自然科学及び数学教員養成システム強化」自然科学分野 研修カリキュラムが行われた。今年で4回目となった研修には、コロンビアより 自然科学研修員8名(男性3名、女性5名)が参加した。宮城教育大学理科教育講座 に所属する物理、化学、生物、地学分野の各教官、及び 環境教育実践センター所属の教官により研修が行われた。 物理分野からは千葉教授と福田助教授により 「自然を見る物理実験〜光・電磁波・放射線で探る〜」の題目で研修を行った。

11月10日に行われた福田助教授の研修の内容を以下に記す。

1. 講義 「宇宙を見る目」

1.1 光で見る宇宙 可視光(肉眼でみえる光)赤外線、紫外線 水素の吸収線
1.2 電波で見る宇宙 マイクロ波の観測(2.7Kの背景輻射はビックバンの証拠)最新の観測結果が見た揺らぎ(しわ)が語る宇宙の姿 暗黒エネルギーと暗黒物質の世界
1.3 放射線で見る宇宙 X線、γ線バースト 宇宙のダイナミックな活動
1.4 宇宙をみる不思議な目〜ニュートリノ〜 星の内部を見るレントゲン
1.5 宇宙の現在・過去・未来 素粒子でみる宇宙の始まり、その行方

2. 講義 「放射能と自然」

2.1 自然界に存在する放射能
2.2 人工的な放射能
2.3 放射能に対する安全教育 放射能汚染を防げ
2.4 宇宙線の歴史
2.5 放射線検出器の種類と原理

・霧箱
・電離箱(スパークチェンバー)
・比例計数管(ガイガーミューラー計数管)
・シンチレーション計数管
・半導体検出器

3. 実験 「放射線を観てみよう」

3.1 自然の中の放射線を計ろう
3.2 スパークチェンバー実験
3.3 霧箱実験
3.4 半導体検出器実験
3.5 シンチレータ実験
3.6 手作り霧箱実験に挑戦

4. 講義 「ニュートリノの謎」

4.1 ニュートリノの歴史とニュートリノ実験 〜原爆の上で実験?〜
4.2 自然の中のニュートリノ
4.3 スーパーカミオカンデとニュートリノ振動の発見
4.4 ニュートリノの利用法(地下核実験を見抜け!)


平成18年12月6日 <文責> 宮城教育大学 助教授 福田善之